Qt Developer Day Tokyo 2014 に参加しました(後編)
2014年5月20日に秋葉原で開催された Qt Developer Day Tokyo 2014 に参加してきました。
色々書いていたらながーい記事になったので 前編、中編、後編 に分けました。後編はキーノートと参加したセッションなどについてです。
技術の壁を打ち破る:現代のアプリケーション開発の最前線にある Qt
Tommi Laitinen – インターナショナルプロダクツ上級副社長, Digia, Qt
Qt とはなにか、Qt の目指しているところ、Digia に移行してからの実績などを紹介し、Digia はとても Qt を頑張っているというアピールをしていました。
それから、イベント前日の リリースのオンラインミーティング で「明日の朝にリリースでいいね?」というで話がまとまっていた、Qt 5.3 のリリース のアナウンスもありました。
Qt Developer Day Tokyo が、毎年秋にヨーロッパとアメリカで開催している Qt Developer Days と同じような位置づけになったようで、ちょっとうれしかったです。
内容的には 昨年秋の Qt Developer Days で行われたキーノート とそんなに違わない気がするので、これを見て復習するとよいかもしれません。
Qt のあゆみ:我々の今とテクノロジーの向かう先
Lars Knoll – Qt CTO および Qt Project チーフメンテナ, Digia, Qt
Qt の歴史、現在、将来の話をしました。ノルウェー人の2人が最初に Qt を作りはじめた時の話、Trolltech 時代と Nokia 時代を経て Digia になってからの成果などがうまくまとまっていました。Qt の方向性と、それを実現するために Qt 5.2、Qt 5.3 と開発を進めてきたこと、今秋リリースされる Qt 5.4 に向けた開発の内容や、1年後の Qt 5.5 はまだまっさらな状態だということなど、ちょっと早口でしたが、わかりやすいスピーチでした。
こちらも昨年秋の Qt Developer Days で行われたキーノートの 動画が公開されている ので、興味のある方はご覧ください。
日本市場におけるQtの拡がり
山口 大介 シニアマネージャー、株式会社SRA
SRA はがんばってます!っていう話でした。
QtはあなたのInternet of Thingsにつながるデバイスの戦略を後押しします
お昼
お弁当を食べながら LT 大会をやっていたらあっという間でした。
モバイルにも対応したQtによるクロスプラットフォーム戦略
大穴のトレーニングセッションに挑戦してみたら、大敗しました。
というわけで、Qt 5.3 のリリース記事 をまとめてみたり、
6月の Qt 勉強会 @ Tokyo の募集を開始してみたり、
1ヶ月くらい直そう直そうと思っていた Qt のバグを修正してアップストリームにパッチを投げてみたり
と色々頑張りました。
ネイティブ開発と Web 技術との融合
Lars Knoll – Qt CTO および Qt Project チーフメンテナ, Digia, Qt
トレーニングを抜け出して、Lars の本日なんと3つ目となるセッションを聞きに行ってきました。
KHTML から WebKit そして Blink ベースの QtWebEngine に移り変わっていく話はとても面白かったです。
まとめ
GWで仕事を休みにくい5月の、ESEC の直後の平日に有料でイベントをやると聞いたときにはこれはヤバい…と思いましたが、なんと予想を上回る250人以上の来場者があり、無料のイベントで、コーヒーもランチも3時のおやつも提供され、双方向の同時通訳も付いて、とても良かったと思いました。
キーノートが多いとか、スライドの字が小さいとか、プレゼンが練習不足でいまいち満足出来なかったとか、夢の中に旅立ってしまえるようなトレーニングセッションだったりという声もささやかれていましたが、来年に期待しましょう。
Qt Developer Day Tokyo 2014 を機に、日本でももっともっと Qt の採用実績やユーザー数が増えて、幸せになれる開発者の数が増えるといいなぁと思っています。
というわけで、オープンソースとしての Qt だけではなく、有料版の Qt も是非ご検討ください。Qt に興味がわきました!とか Qt 使い始めます!という方は Qt ユーザー会:メーリングリスト に参加していただけると、各地でも勉強会のアナウンスが流れてくると思いますし、もし質問とかがあれば聞いてみるとコミュニティのメンバーから回答が得られるかもしれません。
それから、Qt はオープンソースのプロジェクトなので、バグを見つけた場合には是非 バグレポート にご協力ください。また、Qt のバグを自分で直したって人は Qt のコードレビュー のシステムを通じて Qt 自体にマージする手続きをお願いします。
いまの Qt は、いくつかの大きな企業による投資だけではなく、たくさんのボランティアの人の貢献によって成り立っている素晴らしいプロジェクトです。日本からの貢献の数も年々少しずつ増えていますが、世界的に見るとまだまだ「日本人って Qt 使ってるの?」って感じなので、一人一人が少しずつ貢献して、大きな貢献にできたらいいなぁと思っています。